一つのきっかけからまたギターを弾き始めました。
クラシックギターです。
中学一年生から近所の友達と弟がギターを習いたいと言い始め、
これに巻き込まれる形でいやいや始めました。
当時、音楽には全く興味はなく、ましてや自分で演奏するなんて
考えもしませんでした。
始めた頃は当然楽譜は読めませんし、第一学校の音楽の授業などは
つまらなくてつまらなくて(他の教科も同じですが…)、特に音楽の
教師とのソリが合わなくて(以前にも同じ台詞があったような…)
音楽の基本事項を全く知らないまま、半ば強制的に近所のギター教室に
通わされる羽目になったのです。
筆者が通っていたギター教室は、個人レッスンのみの、かなりプロ志向の
強い人達が集まっていたように記憶しています。その多くは大学生で
筆者にとってはもの凄く「おにいさん」な人達だったわけです。
高校生になると「合宿」への参加許可が下りるようになります。
夏休みを利用して遠出をし、一日10時間くらいひたすら練習し続けるという
それはもう過酷なものでした。
クラシックギターというのは右手の爪で弾くわけですが、爪が削れてくるほどの
練習を一週間ほど続けます(ちなみに爪は瞬間接着剤で固めていました)。
そうは言いながら、夜は食事をしながら当然のごとく飲むわけですが…
ここで「おにいさん」達から人生の処し方なども学んだのでしょう。
この頃は普通の6弦ギターを弾いていました。もちろん親に買ってもらった、三万円の
ギター(ケース付き)でした。
筆者の師匠は「バッハ弾き」でリサイタルではバッハのリュート組曲全曲演奏を
やったお方です。非常に厳格な演奏で、これが筆者の好みでした。
やがて師匠はバッハのリュート組曲をより原曲に近い形で弾くために11弦ギターを
導入しました。
この11弦ギターに筆者も惚れてしまったのが、ギターを弾かなくなるきっかけに
なりました。
ギターに惚れてギターを弾かなくなるというのは何事かと言いますと、長くなりますので
また今度お話しさせていただきます。